奄美大島の旅②~委ねる~

奄美大島の旅において、私は今井権現の他にもう1か所行かなければいけないところがあった。

加計呂麻島の高千穂神社。

ここに関しては全く何の前知識もなく、自分の意志というよりは「なんだかわからないけれど身体が引っ張られた」という感覚だった。
それに、ここに関しては私の思考はほとんど働いてくれなかった。

奄美大島2日目。
朝から雨が降っていた。
まずは名瀬から古仁屋まで1時間半ほどバスで移動。
古仁屋からはフェリーで加計呂麻島へ。

ただ、あまりの豪雨にフェリーは”条件付き運航”ということで欠航になるかもしれない状態で出発時刻までの2時間ほどを待つことに。
結局フェリーは欠航。
諦めてホテルに引き返すという選択肢もあったのだけれど、何故か私は案内所で「どうにか行く方法はないか?」と尋ねていた。

正直、今回の奄美大島の旅は私の意志ではない。
完全に導かれている…というか引っ張られているだけ。
だから「無理なんだったら行く必要がないということだから諦めてもいいや」
そう思っていたのだけれど、どうもそうはいかなかった。

案内所の方に「乗り合いの海上タクシーが出るからそれで行けますよ」
そう言われてしまった。

豪雨の中、海上タクシーの小屋に向かった。
そこにはもちろん地元の方しかおらず、完全に内地から来た感満載の私はとんでもなく不審者のごとく警戒されているような目で見られた。

加計呂麻行きの海上タクシーが到着し、数名の方と共に小さな船に乗った。
海は大荒れで視界は悪く、揺れに揺れる船の中、私はひとり不安でいっぱいだった。
「本当に目的の場所へたどり着けるのだろうか?」
「こんな大荒れの天気の海で、今日中にホテルに戻れるのだろうか?」

何もわからない土地で、誰も親切にしてくれない場所で、大荒れの天気の中で
宇宙は私に試練を与えた。

加計呂麻島のフェリー到着地は「生間」と「瀬相」の2か所ある。
私を運んだ海上タクシーは、目的地の「瀬相」ではない「生間」に到着した。

泣きそうになった。

こんな天気の中、加計呂麻島に行く人なんて頭がおかしい人でしかない。
私の目的地である瀬武集落の高千穂神社なんて加計呂麻島の人ですら行かないような場所。

「生間」のフェリー乗り場の窓口の人に聞いて教えてもらえたのは「生間」から「瀬相」へはバスで行けるという情報だけ。
「時間はバス会社に聞いてくれ」と、電話番号も教えてもらえずスマホで検索して電話した。

バスが来るまでの約1時間半。
私はこの上ない孤独感と心細さでいっぱいだった。

来たくて来たわけじゃない。
だったら宇宙がなんとかしてくれるはず。

ここからは、スマホも役に立たない、人もあてにならない、ただ宇宙に委ね祈るしかなかった。

「祈り」

祈りは不安を和らげてくれる。

祈ることしかできない。
私は人生で何度もそんな経験をした。
我が命と引き換えてもいいからと神に祈ったことも幾度となくある。

祈ることしかできない。
そんな自分の無力さに、どうにもならない苦しみを味わったこともある。
ただ私の人生において、命懸けで祈ったことで叶わなかったことはない。

宇宙に委ねる。

奄美大島2日目は「委ねる」ことからはじまった。

続く…